「エンプティチェア」って、色々使えます。

これは別に商品名なのではなくて、
ゲシュタルト療法の代表的なワークのひとつで
イメージワークの名前です。

「エンプティチェア」は、訳すと「空のイス」

これで何をするのかというと、
「相手の立場になってみる」ことをします。

相手の気持ちを想像したり、
相手の空気を察することなんて、
日常的にどれほどやっていることか…

HSPさんだったり、生きづらさを抱えている人なら、
そんなことはいつもやっている!と思うかもしれません。

ですが、
エンプティチェアでは、
自分が考えてなかった感覚になったり、
予想外の答えが返ってきたりすることもあるのです。
そして、スッキリしたり、心が軽くなります。

自分ひとりでやる分にはお金がかかることでもないので
試してみて損はないです。
ただ、周りに人がいるところでやると、
頭がおかしい人と思われちゃうかもしれないので笑
ひとりの静かな時間に是非やってみてください。

手順
1.イスを2つ用意して、少し離して向かい合わせにして並べます。
2.ひとつには自分が座り、目の前のもうひとつのイスには、
  心にわだかまりのある人(イヤな人)を思い浮かべてその相手が
  座っていると想像します。
3.まずは、自分が目の前のイスに座っているイヤな人に向かって、
  感じていることを全部ありのままに伝えてみてください。
  ここは本音で、悪口を言ってもいいです。
4.全部言えたら、今度は向かいのイスに座って、
  相手になりきって、相手の視線として自分を感じてみます。
  そして、向かいのイスの自分に向かって
  相手が言いそうなことをすべて言ってみてください。
5.そして、また自分のイスに座りなおして、言いたいことを伝え、
  また相手の方に座りなおし、言いたいことを伝える。
  (これを何度か繰り返します)


そうすると、頭の中だけで相手のことを察していたのとは、
全然違う感覚や、考え、気持ちが出てくるのです。

ただ、イスを使うだけのことで、難しいこともありません。
イスは、座布団とかでも大丈夫です。

相手の立場になって、自分とは意見は合わないままなのだとしても、
どうして、そんな風に思ってるかということが理解できると、
相手に対してのストレスが減ります。

相手に対して、とらわれたり、不愉快だと思うのは、
どうしてそうするかが理解できないからだと思うのです。

どうしてそんな態度するのかな…
どうしてそんなこと言うのかな…
どうしてそんなやり方なのかな…

そのようなことも、その人なりの理由があるのだとわかれば、
違いを受け入れる気持ちが出てくるのだと思います。

人は「みんな違ってみんないい」はずな当たり前のことに気づきます。
人と違って当たり前

自分と似た人はいる
共感してくれる人もいる
理解してくれる人がいる
いつも意見が合う人もいる

だけど、決して自分と全く同じ人はいない

そう思えたら柔軟な心になれて、楽になれます。


これは、対人関係の問題に対しての
イメージワークではありますが、

別に自分の体のどこか(膝とか、腰とかでも)など
人以外を相手にしてやっても大丈夫ですし、
過去の自分
やる気の出ない自分
自分が子どもの頃のお母さん
過去に自分を傷つけた上司

などなど、時間空間を超越してイスに座らせてOKです。

いつも、「どうせ自分なんて」という思考がくせになってる場合なら、
どうせ自分なんてを抱えている心を目の前に座らせたりしてもいいです。
色々、やってみると面白いと思います。

このエンプティチェアのことをわかりやすく説明している本が
田房永子さんの『呪詛抜きダイエット』です。
呪詛抜きダイエット
田房 永子
大和書房
2014-07-18




こちらは、コミックエッセイなので、とても読みやすいです。
マンガだから、サクサク読めるのに、
自己肯定感や自己否定感などについても気づかせてくれる深い内容です。
エンプティチェア以外にも色々な療法のことが紹介されています。

他には、ひすいこたろうさんの『ものの見方検定』の71ページに
敵を素敵に変えるレッスンとして紹介されています。



実はわたくし、ひすいこたろうさんのファンで、
ひすいこたろうさんのお話を聞きに行った時に
この本にサインをもらっています(ただの自慢)
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さらに、矢野惣一さんの『怒っていい!?』
の152ぺージにも紹介されています。



本だけでなく、ゲシュタルト療法のワークショップや
個人カウンセリングをやっているところもあります。
ゲシュタルト療法のファシリテーターとしての養成コースがあったりもします。

私は一度だけ、ゲシュタルト療法のワークショップ
行ってみました。

時間が足りなくて、私の番は来なかったのですが、
他の人のエンプティチェアを目の当たりにできて、面白かったです。

絵本になりそうな物語のような対話をされている人もいたり、
怒り狂っている人がいたり、
それぞれの表現があっていいのだなと思えました。

私は、エンプティチェアは色々な感情解放に使っています。
色々使えて便利なイスです。